オットーは町内イチの嫌われ者でいつもご機嫌斜め。
曲がったことが大っ嫌いで、近所を毎日パトロール、ルールを守らない人には説教三昧、挨拶をされても仏頂面、野良猫には八つ当たり、なんとも面倒で近寄りがたい男。それが〈オットーという男〉。
仕事もなくし、最愛の妻にも先立たれたオットーは、妻の後を追って自らの人生にピリオドを打とうとする。しかし、向かいの家に引っ越してきた家族に邪魔され、死にたくても死ねない。それも一度じゃなく二度、三度も…。世間知らずだけど、とにかく陽気で人なつっこく、お節介者のマリソルは厳格なオットーとは真逆な性格。苦手な車の運転や、小さい娘たちの子守を頼んでくる。この迷惑一家の出現により“自ら人生をあきらめようとしていた男”の人生は一変していく――。